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海底に眠る資源(12/08/11)
静岡県御前崎沖に眠る非常に有望な資源、燃える氷があります。氷といっても、本当の氷ではありませんが、この資源のことをメタンハイドレートといいます。
水の分子でできたかごの中に、メタン分子が取り込まれてできた結晶です。
ドライアイスを想像していただければと思います。
メタンハイドレートも化石燃料の一つです。
有機物(生命体)を構成する物質を多く含んだ土砂が、低温、高圧(0℃、26気圧)の世界で「凍った」結果、出来上がるのです。
この環境にあるのは、深海底の他には極地方の永久凍土の下だけです。
1立方メートルのメタンハイドレートには、164倍の体積のメタンガスが含まれています。
日本近海にあるメタンハイドレートは、メタンガス6兆立方メートル分と推定されます。
これは日本が消費する天然ガス100年分にもなります。
そのうえ、石炭・石油に比べて、二酸化炭素排出量は50〜60%程度なのです。
そのため、1999年11月から、御前崎沖60kmの海底で試掘調査が始められます。
ただ、メタンハイドレートには問題もあります。
地球上にあるメタンハイドレートの埋蔵量は150兆立方メートルといわれていますが、これが何らかの原因で大気中に放出されたら、温室効果が一気に加速します。
メタンは二酸化炭素の20倍もの温室効果ガスなのです。
実際ノルウェー沖では8000年前、メタンハイドレートが大量噴出した跡も残されています。
この結果、当時の地球では平均気温が劇的に上昇したと推定されるのです。
メタンハイドレートは諸刃の剣の性格をもった資源なのです。
【参考文献】
「地球のすべて」がわかる本 向山洋一(編者)、岩切洋一(著者) PHP研究所 発行