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北大西洋で起きる地球規模の現象って?(12/06/07)
北大西洋でおきる「あること」、それは「海水が深海に向かってゆっくりと沈み込んでいく現象」です。
北大西洋は、地球規模での深海海流の出発点なのです。
前回、黒潮などの表層を流れる海流について述べましたが、その下にも非常にゆっくりした深海海流があります。
その出発点がグリーンランド沖なのです。
深海海流は海水の温度と塩分の濃度によって引き起こされます。
温度が低く、塩分濃度が濃いと海水は重くなります。
逆に温度が高く、塩分濃度が薄いと海水は軽くなります。
海水が重いところが高圧部に、海水が軽いところが低圧部になるのです。
そして、高圧部から低圧部に向かって海水が移動します。
これが深海海流の原動力なのです。
海水中に含まれる炭素を用いて、その海水が最後に大気に触れた時期を計算することが出来ます。
北大西洋で冷やされて重くなった海水は深海に沈みます。
この重い海水は南極付近で更に冷やされ、深海を通って北太平洋までやってきます。
北太平洋では表層の温かい海水と混じって海面まで上昇してきます。
ここまでで約2千年! そしてインドネシア沖を通り、また大西洋を目指すのです。
【参考文献】
「地球のすべて」がわかる本 向山洋一(編者)、岩切洋一(著者) PHP研究所 発行