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ヒトとチンパンジーを分けたのは何?(10/01/24)
ヒトとチンパンジーを分けたのは何?
今から約500万年前、大規模な地殻変動によって、アフリカにはグレートリフトバレーと呼ばれる大陸の割れ目を軸にして、山脈が形成され始めました。
それまでアフリカは、大西洋から吹いてくる水蒸気を多く含んだ風によって、全土が大森林に覆われていました。
チンパンジーとヒトの共通の祖先(ヒトに近い大型のサル)は、この森林の中で樹上生活を送っていました。
ところが、地殻変動によってできた巨大な山脈にさえぎられて、風は東に流れなくなったのです。
その結果、東側の地域は、徐々に乾燥した草原のような環境へと変化していきました。
この地域のサルは、草原で生きることになります。
ここでは前脚で木につかまる必要が無いので、二足歩行が可能になりました。
二足歩行はさらに大きな変化をもたらします。
前脚は手の機能をもち、道具を作れるようになりました。
また、直立の姿勢によってのどの広がり、細かな声音の使い分けもできるようになりました。言語の始めです。
このように山脈にすむサルがヒトへの進化を始めたのに対し、山脈の西側にいたサルはそのまま樹上生活を続け、チンパンジーへと進化していったのです。
【参考文献】
「地球のすべて」がわかる本 向山洋一(編者)、岩切洋一(著者) PHP研究所 発行